熊本地震で被災していた熊本城の長塀が、被災前と同じ綺麗な姿を坪井川沿いの長塀通りから見られるようになりました。
熊本市は石垣を残したままに、木材や屋根瓦を再利用して復旧工事を進めてきました。
新聞の写真を眺めると、昔のままの姿になって、過って毎日眺めていた風景の復元に、安堵と感動を覚えました。
長塀の壮麗な姿が再びという事ですが、私の記憶の中では三度になります。
その理由は、1991年の台風19号でも、長塀の一部が倒壊しました。
台風19号では、熊本城も大きな被害がありました。
場内の楠の大木の枝が折れて、私の知り合いの奥さんが亡くなられました。
私は、この台風が、熊本を襲ったときには、教育委員会に在席していて、台風の処理に翻弄していました。
教育委員会は、熊本市庁舎の12階で熊本城が眺められるところにありました。
仕事の合間に、外の熊本城を眺めていましたが、屋根のトタン板が新聞紙のように飛んでいました。
その時、震えを覚えれような光景が目の前で起こりました。
長塀が、じわじわとドミノが倒れるように消えていきました。
数年後に、長塀は復元されましたが、この長塀の倒壊の瞬間を見せられた事に対して複雑な思いです。
これから、長塀の倒壊が三度起こらないことを祈るのみです。